- あやしい
- あやしい【怪しい】※一※十分に納得のいかないようす。(1)普通と違っていて変だ。 異様だ。 不審だ。
「挙動の~・い男」
(2)正体がわからなくて気味が悪い。「~・い人影」「~・い物音」
(3)(「妖しい」とも書く)神秘的な力がある。 不可思議だ。「~・い魔力」「目が~・く輝く」
(4)後ろ暗いところがありそうだ。 疑わしい。「刑事が~・いとにらんだ男」
(5)確実かどうか, はっきりしない。 信用ができない。「公約が実行されるかどうかきわめて~・い」
(6)ただならぬ様子だ。 悪くなりそうな状況だ。 望ましくない結果になりそうだ。「雲行きが~・い」「中東情勢が~・い」
(7)(男女間に)秘密の関係があるらしい。「あのふたりは, どうも~・い」
※二※(1)(ア)普通でない。 珍しい。「~・しくおもしろき所々/伊勢 81」(イ)とがめられるべきだ。 けしからぬ。 「ここかしこの道に~・しきわざをしつつ/源氏(桐壺)」
(2)(「賤しい」と書く)(ア)粗末だ。 見苦しい。「ちごは, ~・しき弓・しもとだちたるものなどささげて遊びたる, いとよし/枕草子 59」(イ)身分が低い。 いやしい。 「あてなるも~・しきも/竹取」
〔感動詞「あや」の形容詞化。 本来は, 異様な物事や正体のわからないものに対する驚異・畏敬の気持ちを表したが, 転じて※二※(1)(ア)の普通でないの意ともなった。 また, もともと善悪にかかわらず用いられたが, 身分の高い人は, 異様なもの, 正体不明のものに対して否定的感情を持ったところから, ※二※(1)(イ), (2)のようなマイナスの意が生じた。 近世以降は, 物事を否定的に予想する※一※(5)(6)の意でも用いられた〕﹛派生﹜~が・る(動ラ五[四])~げ(形動)~さ(名)
Japanese explanatory dictionaries. 2013.